東京には、下町の古刹から都心のオフィス街、多摩の古社まで、おみくじが楽しめる寺社が数えきれないほどあります。凶が多いことで知られる浅草寺の観音百籤、吉凶を記さない明治神宮の「大御心」、五色から選べる田無神社の五龍神みくじ、まゆ玉に包まれた小網神社のおみくじなど、同じ東京でも形式も意味合いもまるで違います。この記事では、都内20か所の寺社をエリア別に整理し、おみくじの種類・初穂料の目安・アクセス・押さえておきたいポイントまでまとめて紹介します。
御要旨
東京のおみくじスポット20選はエリアごとにまとめて巡るのが効率的
東京のおみくじ巡りで最も大切なのは、移動時間の設計です。都心部は徒歩と地下鉄で数か所を一気にまわれますが、多摩エリアは1か所あたりの滞在時間が長くなります。まずは20か所の全体像をエリアとおみくじの特徴で把握し、自分の目的に近い寺社から組み立てるのが失敗しないコツです。
| 寺社名 | エリア | おみくじの特徴 |
|---|---|---|
| 浅草寺 | 台東区・浅草 | 観音百籤。凶の割合が高い古式の配分 |
| 浅草神社 | 台東区・浅草 | 鯛みくじなど種類が豊富で見た目もかわいい |
| 今戸神社 | 台東区・今戸 | 招き猫みくじと恋勝みくじ。恋愛運に強い |
| 湯島天満宮 | 文京区・湯島 | 恋みくじ・鷽鳥みくじ・干支みくじと多彩 |
| 根津神社 | 文京区・根津 | 重要文化財の社殿と千本鳥居。正統派の紙みくじ |
| 神田明神 | 千代田区・外神田 | 江戸総鎮守。仕事運・商売繁盛の授与品が充実 |
| 小網神社 | 中央区・日本橋 | まゆ玉みくじ、みみずく張り子みくじ |
| 水天宮 | 中央区・日本橋蛎殻町 | 安産・子授けの社。子宝いぬとあわせて参拝 |
| 日枝神社 | 千代田区・永田町 | 神猿(まさる)モチーフの授与品が人気 |
| 赤坂氷川神社 | 港区・赤坂 | 縁結び参りで知られる静かな都心の社 |
| 愛宕神社 | 港区・愛宕 | 出世の石段を上って引く仕事運のおみくじ |
| 芝大神宮 | 港区・芝大門 | 金勝みくじ・三角みくじなどお守り付き |
| 明治神宮 | 渋谷区・代々木 | 吉凶を記さない「大御心」。和歌30首から授かる |
| 東京大神宮 | 千代田区・富士見 | 東京のお伊勢さま。縁結びの授与品が豊富 |
| 大國魂神社 | 府中市 | 御鎮座1900年の武蔵国総社。正統派のおみくじ |
| 田無神社 | 西東京市 | 五龍神みくじ。色でご利益を選べる陶製みくじ |
| 高幡不動尊 | 日野市 | 関東三大不動。土方歳三ゆかりの寺で引く |
| 深大寺 | 調布市 | 元三大師を祀る寺。凶が出やすいと語られる |
| 亀戸天神社 | 江東区・亀戸 | 藤と太鼓橋の名所。鷽替神事の木鷽が有名 |
| 蛇窪神社 | 品川区・二葉 | 巳くじ・一粒万倍みくじ。白蛇信仰の社 |
この20か所のうち、いわゆる「かわいい授与品」を狙うなら浅草神社・今戸神社・小網神社・日枝神社・田無神社・蛇窪神社の6社、「恋みくじ」を狙うなら今戸神社・湯島天満宮・東京大神宮・赤坂氷川神社が中心になります。(一日で全部まわろうとすると確実に息切れするので、テーマを1つに絞るのが現実的です)
浅草・上野・文京エリアは下町らしい個性派おみくじが集中している
浅草から上野、根津・湯島へと続く一帯は、江戸の面影を残す寺社が徒歩圏に密集しています。おみくじの種類も多彩で、古式ゆかしい観音百籤から陶器製のかわいい授与品まで、対照的な体験を一日で味わえるのがこのエリアの強みです。
浅草寺 ── 凶が出やすい観音百籤は「古式を守っている証」
都内で最も参拝者が多い浅草寺のおみくじは、観音百籤(かんのんひゃくせん)と呼ばれる古式の形式です。凶の割合が約3割とされるため「浅草寺は凶が出やすい」と話題になりますが、これは意地悪をしているのではなく、江戸期から伝わる配分をそのまま守っているためです。近年の神社は参拝者に配慮して凶を減らす傾向があり、浅草寺の配分こそが本来の姿に近いといえます。本堂の開堂時間は午前6時から午後5時まで、10月から3月は午前6時30分の開堂です(出典 浅草寺公式サイト)。初穂料は100円が目安で、六角形の筒を振って番号を出し、対応する引き出しから籤を取り出す形式です。(凶を引いても慌てず、境内の結び所に結べば大丈夫です)
浅草神社 ── 鯛みくじをはじめ見た目で選べる授与品が並ぶ
浅草寺の本堂すぐ隣に鎮座する浅草神社は、三社祭で知られる神社です。おみくじの種類が豊富で、赤い鯛をかたどった鯛みくじなど、持ち帰って飾りたくなるデザインの授与品が並びます。授与所の受付時間は平日が午前9時から午後4時、土日祝日は午前9時から午後4時30分までです。各線の浅草駅からいずれも徒歩約7分の距離にあります(出典 浅草神社 アクセス)。同じ敷地内で浅草寺の厳しい観音百籤と浅草神社のかわいいおみくじを引き比べられるのは、東京でもここだけの体験です。
今戸神社 ── 招き猫みくじと恋勝みくじで縁結び
招き猫発祥の地の一つとされる今戸神社は、伊弉諾尊・伊弉冉尊という日本最初の夫婦神を祀ることから、縁結びの神社として若い参拝者を集めています。「恋勝みくじ」(200円)は血液型や星座に触れた具体的な助言が書かれており、「招き猫みくじ」(200円)は小さな招き猫が付いた縁起物です。境内の丸い絵馬や、ペアで並ぶ大きな招き猫も撮影スポットとして人気があります(出典 今戸神社 公式ホームページ)。(浅草寺から徒歩15分ほど。少し歩きますが、恋愛運狙いなら外せない一社です)
湯島天満宮 ── 恋みくじから鷽鳥みくじまで種類が最も多い
学問の神様・菅原道真公を祀る湯島天満宮は、おみくじの選択肢の多さで都内屈指です。定番の湯島天満宮おみくじが100円、恋みくじ・開運みくじ・鷽鳥みくじが200円から300円、その年の干支をかたどった干支みくじが500円程度と、目的に応じて選べます。開門時間は午前6時から午後7時30分までで、参拝可能な時間が長いのも助かる点です。東京メトロ千代田線の湯島駅3番出口から徒歩2分とアクセスも良好です(出典 湯島天満宮 境内のご案内)。合格祈願の絵馬が壁のように連なる光景は、受験シーズンの風物詩となっています。
根津神社 ── 重要文化財の社殿と千本鳥居を歩いてから引く
東京十社のひとつに数えられる根津神社は、楼門・唐門・拝殿・本殿・幣殿・西門・透塀の7棟が国の重要文化財に指定されています。江戸の神社建築の楼門で現存するのはここだけという貴重な社です。乙女稲荷へ続く参道には奉納された鳥居が連なり、通称「千本鳥居」として親しまれています。4月のつつじまつり期間には100種3,000株のつつじが咲き誇ります(出典 根津神社 境内案内)。おみくじは奇をてらわない正統派の紙みくじで、初穂料は100円が目安。荘厳な社殿の前で引くおみくじには、変わり種にはない重みがあります。
日本橋・神田エリアは仕事運と金運のおみくじが充実している
オフィス街の日本橋・神田には、ビジネスパーソンが日常的に立ち寄る神社が点在しています。仕事運・商売繁盛・金運といった実利的なご利益が中心で、平日の昼休みに参拝する人の姿も珍しくありません。
神田明神 ── 江戸総鎮守で仕事運と縁結びの両方を願える
神田・日本橋・秋葉原など108か町の総氏神である神田明神は、江戸総鎮守として広く信仰されてきました。だいこく様(大己貴命)とえびす様(少彦名命)を祀ることから、商売繁盛と縁結びの両方にご利益があるとされます。授与品では縁結び関連が1,000円、仕事・勝負運関連が500円から1,500円と幅広くそろっています(出典 神田明神 授与品オンラインカタログ)。アクセスはJR御茶ノ水駅の聖橋口から徒歩5分、東京メトロ銀座線の末広町駅から徒歩5分、秋葉原駅からは徒歩7分です(出典 神田明神 アクセス)。境内の文化交流館「EDOCCO」にはカフェもあり、おみくじを読み返しながら休憩できます。
小網神社 ── まゆ玉みくじとみみずく張り子みくじが並ぶ強運厄除の社
日本橋の小さな境内に長い行列ができることで知られる小網神社は、「強運厄除」の神社として全国から参拝者が訪れます。おみくじは種類が豊富で、通常みくじが100円ほど、本物の繭の中におみくじが入った「まゆ玉みくじ」や金運・勝運みくじ、開運みくじが300円ほど、知恵と福を象徴する「みみずく張り子みくじ」が600円ほどです。境内の「銭洗いの井」で金銭を清めると財運に恵まれるとされ、洗った小銭を財布に入れて持ち歩く参拝者が絶えません。東京メトロ日比谷線「人形町」駅A2出口から徒歩約5分です(出典 小網神社 公式サイト アクセス)。(土日は待ち時間が長くなるので、平日の午前中が狙い目です)
水天宮 ── 安産・子授けの祈りとともに引くおみくじ
日本橋蛎殻町の水天宮は、江戸時代から安産・子授けの神様として信仰を集めてきた神社です。現在の社殿は免震構造のビルの上に建つ近代的な造りで、境内は明るく開放的。開門時間は午前7時から午後6時、神札所は午前8時から午後6時、祈祷受付は午前8時から午後3時までです(出典 水天宮 公式サイト)。子犬と子どもが寄り添う「子宝いぬ」の像は、自分の干支の文字をなでると願いが叶うとされています。戌の日には安産祈願の参拝者で境内が埋まるため、静かにおみくじを引きたい方は戌の日を避けるのが賢明です。
赤坂・港区エリアは出世運と縁結びのおみくじが揃っている
永田町から赤坂、愛宕、芝大門へと続く港区・千代田区南部は、政治と経済の中心地らしく「出世」「仕事運」にまつわる寺社が集中するエリアです。同時に、縁結びで名高い社も点在しており、目的に応じて組み合わせられます。
日枝神社 ── 神猿(まさる)にちなんだ授与品が人気を集める
永田町に鎮座する日枝神社は、御祭神・大山咋神の神使である「神猿(まさる)」で知られています。「まさる」の音が「魔が去る」「勝る」に通じることから、勝運・仕事運の御利益があるとされ、神猿をかたどった授与品が人気です。開門は午前6時から午後5時、授与所と朱印所の受付は午前8時から午後4時まで(出典 日枝神社 アクセスマップ)。東京メトロの溜池山王駅・赤坂駅からいずれも徒歩約3分で、外堀通り側の山王鳥居にはエスカレーターが備わっているため、足腰に不安がある方でも参拝しやすい神社です。
赤坂氷川神社 ── 縁結び参りで知られる江戸の面影が残る社
赤坂の高台に鎮座する氷川神社は、享保15年(1730年)に徳川吉宗が建立した社殿が現存する、都心では貴重な神社です。素盞嗚尊と奇稲田姫命という夫婦神を祀ることから縁結びの信仰が篤く、「縁結び参り」が広く知られています。開門は午前6時、社務所受付は午前9時から午後5時、閉門は午後5時30分です。毎月1日の午前9時からは限定の御朱印「かさね」が頒布されます(出典 赤坂氷川神社 公式サイト)。繁華街から少し坂を上がるだけで人の気配が消える静けさは、都心とは思えないほどです。
愛宕神社 ── 出世の石段を上りきってから引くおみくじ
愛宕神社は、都心にありながら天然の山の上に鎮座する珍しい神社です。正面の急な石段は「出世の石段」と呼ばれ、江戸時代に曲垣平九郎が馬で駆け上がり将軍から称賛されたという逸話に由来します。仕事運・出世運を願うなら、迂回路ではなくこの石段を上るのが定番の作法とされています。アクセスは東京メトロ日比谷線の神谷町駅・虎ノ門ヒルズ駅から徒歩5分、銀座線の虎ノ門駅と都営三田線の御成門駅から徒歩8分です(出典 愛宕神社 公式サイト)。(息を切らして上りきった直後に引くおみくじは、結果に関係なく妙に説得力があります)
芝大神宮 ── お守り付きの三角みくじと金勝みくじ
「関東のお伊勢さま」と称される芝大神宮は、おみくじにお守りが付いてくる形式が特徴です。通常みくじが100円、金運を願う「金勝みくじ」と「運気上昇みくじ」が各200円、「三角みくじ」が300円で、いずれも小さなお守りが同封されています。社務所の受付は午前9時から午後5時、御祈祷受付は午後4時30分までです。都営浅草線・大江戸線の大門駅から徒歩約1分、JR浜松町駅から徒歩約5分と、都内屈指のアクセスの良さを誇ります(出典 芝大神宮 御由緒)。良縁のお守り「千木筥(ちぎばこ)」も名物で、タンスに入れると衣装が増えるという言い伝えがあります。
渋谷・飯田橋エリアでは吉凶のないおみくじと縁結びの授与品に出会える
明治神宮と東京大神宮は、東京のおみくじを語るうえで欠かせない二社です。片や吉凶を一切記さない独自形式、片や縁結びの授与品で全国的に知られる神社と、性格はまったく異なりますが、どちらも「おみくじとは何か」を考えさせてくれる存在です。
明治神宮 ── 吉凶を記さない「大御心」は和歌そのものが答え
明治神宮のおみくじ「大御心(おおみごころ)」には、大吉も凶も書かれていません。公式サイトは「吉凶を占うおみくじではなく、御祭神である明治天皇の御製(ぎょせい)、昭憲皇太后の御歌(みうた)より15首ずつ、あわせて30首選び、それに解説文をつけたもの」と明記しています(出典 明治神宮 公式サイト)。和歌と現代語の解説を読んで、自分の今の生き方を省みるという形式です。開門・閉門時間は日の出日の入りに合わせて毎月変わり、8月は午前5時から午後6時、9月は午前5時20分から午後5時20分となっています。(ランクがないおみくじは一見物足りませんが、和歌こそがおみくじの本体だと考えれば、これが最も原型に近い形です)
東京大神宮 ── 東京のお伊勢さまは縁結びの授与品が豊富
飯田橋の東京大神宮は「東京のお伊勢さま」と親しまれ、縁結びを願う参拝者が全国から訪れます。天照皇大神・豊受大神とともに、結びの働きを司る造化の三神を祀ることが、縁結び信仰の背景です。参拝は午前6時から午後9時まで可能で、授与所は午前8時から午後7時、朱印所は午前9時から午後5時、祈祷受付は午前9時から午後4時30分までとなっています(出典 東京大神宮 公式サイト)。授与所には縁結びにちなんだおみくじが複数種類そろい、初穂料は200円前後が目安です。授与所が午後7時まで開いているため、仕事帰りに立ち寄れるのも大きな利点です。
西東京・多摩エリアには色や動物で選べる個性派おみくじが待っている
府中・西東京・日野・調布といった多摩エリアには、都心の喧騒とは無縁の広い境内を持つ古社古刹が並びます。移動には時間がかかりますが、そのぶん一か所あたりの満足度が高く、おみくじもここでしか引けない形式が揃っています。
大國魂神社 ── 御鎮座1900年の武蔵国総社で引く正統派のおみくじ
府中市の大國魂神社は、大國魂大神を武蔵国の守り神として祀る神社で、公式サイトには「御鎮座壱千九百年」と記されています。武蔵国の総社として、国内著名の神社を一か所に祀った歴史を持ちます。開門時間は4月1日から9月14日が午前6時から午後5時、9月15日から3月31日が午前6時30分から午後5時。御朱印受付は午前9時から午後5時までです。京王線府中駅とJR武蔵野線・南武線の府中本町駅から、いずれも徒歩5分(出典 大國魂神社 公式サイト)。5月のくらやみ祭は関東三大奇祭のひとつに数えられ、期間中は境内が別世界のような熱気に包まれます。
田無神社 ── 五龍神みくじは色で授かるご利益が変わる
西東京市の田無神社が誇る「五龍神みくじ」は、青・赤・白・黒・金の五色の陶製の龍の中におみくじが入った、東京屈指の人気授与品です。五行思想に基づき、東を守る青龍は技芸向上と仕事運、南の赤龍は勝負運と成績向上、西の白龍は金運向上と良縁成就、北の黒龍は健康増進と家内安全、中央の金龍はあらゆる運気の向上と、色ごとにご利益が明確に分かれています(出典 田無神社 ご祭神)。願い事から逆算して色を選べるおみくじは全国的にも珍しく、五色すべてを集めて飾る参拝者も少なくありません。
高幡不動尊 ── 関東三大不動で土方歳三ゆかりの寺
日野市の高幡不動尊金剛寺は、真言宗智山派別格本山にして関東三大不動のひとつに数えられる古刹です。新選組副長・土方歳三の菩提寺としても知られ、ゆかりの品や資料が展示されています。お護摩修行は平日が午前8時から午後4時、土日祝も同様の時間帯で執り行われます。京王線・多摩都市モノレールの高幡不動駅から徒歩5分と、多摩エリアでは抜群のアクセスです(出典 高幡不動尊金剛寺 公式サイト)。おみくじは寺院らしく漢詩や仏教的な教えを含む内容で、初穂料は100円が目安。境内の五重塔とあじさいの名所としても親しまれています。
深大寺 ── 元三大師を祀る寺だからこそ凶が出やすいと語られる
調布市の深大寺は、おみくじの原型「元三大師百籤」を伝えたとされる元三大師(がんざんだいし。天台宗の高僧・良源)を祀り、「日本最大の厄除け大師」として毎日護摩祈願を行っています。参拝者の間では「深大寺は凶が出やすい」としばしば語られますが、これは古式の配分をそのまま用いているためと考えられます。開門は午前6時、閉門は午後5時頃です(出典 深大寺 公式サイト)。中央線の吉祥寺駅・三鷹駅をはじめ周辺4駅からバスでアクセスできます。参道の深大寺そばを味わってから引くおみくじは、多摩エリアならではの楽しみ方です。(凶が出た人ほど熱心に読み込んでいる姿を見かけるのが、深大寺の面白いところです)
城東・城南エリアには白蛇と藤の名所という個性が光る
都心から少し外れた江東区と品川区にも、わざわざ足を運ぶ価値のあるおみくじスポットがあります。どちらも近年SNSで注目を集め、参拝者が急増した神社です。
亀戸天神社 ── 藤と太鼓橋の景観の中で引く学問のおみくじ
菅原道真公を祀る亀戸天神社は、境内の心字池に架かる朱塗りの太鼓橋と、4月下旬から5月上旬に咲き誇る藤の花で知られる神社です。学問・芸能の神様として受験生の参拝が絶えず、おみくじも学業成就を願って引く人が中心となります。毎年1月に行われる鷽替(うそかえ)神事では、木彫りの鷽を新しいものに替えることで前年の凶事を「嘘」にして幸福に替えるとされ、この木鷽を集める参拝者も多くいます。東京スカイツリーを背景にした藤棚の光景は、東京の春を代表する風景のひとつです。
蛇窪神社 ── 巳の日限定の「巳くじ」と一粒万倍みくじ
品川区二葉に鎮座する蛇窪神社は、白蛇を祀る「東京の白蛇さま」として知られています。おみくじは巳の日限定の「巳くじ」(500円)と「一粒万倍みくじ」(500円)の2種類が中心で、後者は裏面に「超豊作」が出た人に特別な授与品が用意されるという趣向つきです(出典 蛇窪神社 授与品)。授与所に並べるのは午前8時からで、混雑時には午後5時以降の入場が制限されることもあります。巳の日、とりわけ己巳(つちのとみ)の日は大変な混雑になるため、時間に余裕を持って訪れてください。(金運狙いなら巳の日一択ですが、静かに参拝したいなら平日の通常日がおすすめです)
東京のおみくじが「当たる」と感じられるのは読み解き方にコツがあるから
「東京 おみくじ 当たる」で検索する方が求めているのは、的中率の高い神社のランキングではありません。実際には、おみくじの内容をどう自分の状況に引き寄せて読むかで、体感的な「当たり方」が大きく変わります。
凶が多い寺社は的中率ではなく古式の配分を守っている
浅草寺や深大寺で凶が出やすいのは、おみくじが厳しいのではなく、江戸期から続く元三大師御籤の配分をそのまま用いているためです。近年の神社は参拝者の心情に配慮して凶系を減らす傾向があり、全体では凶系が1割から1割5分程度に抑えられているところが多くなっています。つまり「凶が3割」という古式の配分こそが、おみくじ本来の姿です。凶を引いたときは「今の状態への注意喚起」と受け取り、書かれている具体的な助言を1つだけ実行してみるのが、最も実用的な向き合い方です。
ランクより本文と和歌を読むほうが「当たる」体験につながる
明治神宮の大御心が吉凶を記していないことが示すとおり、おみくじの本体は和歌と解説文です。大吉か凶かだけを見て畳んでしまうと、せっかくの助言を読み飛ばすことになります。待ち人・失せ物・商売・縁談といった各項目には、その時期に注意すべきことが具体的に書かれています。おみくじは天気予報と同じで、結果を知った上でどう行動するかが大事です。(半年後に読み返すと「あのとき書いてあったとおりだった」と感じることが多いのは、行動が言葉に引っ張られるからでもあります)
おみくじを引く前に押さえておきたい参拝の作法
- おみくじを引く前に、まず本殿(本堂)で参拝を済ませる
- 神社では「二礼二拍手一礼」、お寺では合掌が基本の作法
- お寺のおみくじは仏さまからの助言、神社のおみくじは神さまからの助言と捉える
- 凶が出ても落ち込む必要はない。書かれた助言のうち1つを実行する
- おみくじは境内に結んでも、持ち帰っても、どちらでも問題ない
- 持ち帰る場合は財布や手帳に入れ、時々読み返す
- 処分する際は、神社やお寺の古札納め所に返納するのが丁寧な方法
- 陶器製の授与品は返納の対象外となることが多いため、自宅で大切に飾る
本記事に記載した初穂料や受付時間は、公式サイトの情報および参拝時点の目安です。季節や社務の都合により変更される場合があるため、遠方から訪れる際は各寺社の公式サイトで最新情報を確認してください。
東京おみくじ巡りのモデルコースは目的別に3パターンで組み立てる
20か所すべてを一日でまわるのは現実的ではありません。目的別に3つのコースを用意しました。いずれも公共交通機関で移動でき、半日から一日で完結します。
かわいい授与品コース(1日・下町から西へ)
| 時間帯 | 寺社 | おみくじ | 初穂料の目安 |
|---|---|---|---|
| 朝 | 浅草寺 | 観音百籤 | 100円 |
| 午前 | 浅草神社 | 鯛みくじほか | 300円前後 |
| 昼 | 今戸神社 | 招き猫みくじ | 200円 |
| 午後 | 小網神社 | まゆ玉みくじ | 300円ほど |
| 夕方 | 日枝神社 | 神猿にちなむ授与品 | 500円前後 |
浅草を起点に、都営浅草線で日本橋・人形町へ南下し、地下鉄で永田町へ抜けるルートです。陶器や張り子の授与品が5種類そろい、持ち帰って並べる楽しみがあります。(授与品はかさばるので、緩衝材代わりのタオルを一枚持っていくと安心です)
恋みくじ・縁結びコース(半日・都心中心)
| 時間帯 | 寺社 | おみくじ・見どころ | 初穂料の目安 |
|---|---|---|---|
| 午前 | 東京大神宮 | 縁結びのおみくじ | 200円前後 |
| 昼 | 赤坂氷川神社 | 縁結び参り | 100円から300円 |
| 午後 | 今戸神社 | 恋勝みくじ | 200円 |
| 夕方 | 湯島天満宮 | 恋みくじ | 200円から300円 |
飯田橋から赤坂、浅草、湯島と地下鉄で移動する半日コースです。4枚の恋みくじを並べて読み比べると、不思議と共通するメッセージが見つかることがあります。東京大神宮の授与所は午後7時まで開いているため、順番を入れ替えて最後に訪れる組み方も可能です。
仕事運・金運コース(半日・オフィス街中心)
| 時間帯 | 寺社 | おみくじ・見どころ | 初穂料の目安 |
|---|---|---|---|
| 朝 | 神田明神 | 商売繁盛の授与品 | 500円から1,500円 |
| 午前 | 小網神社 | 金運・勝運みくじと銭洗い | 300円ほど |
| 昼 | 愛宕神社 | 出世の石段 | 100円前後 |
| 午後 | 芝大神宮 | 金勝みくじ | 200円 |
御茶ノ水から日本橋、虎ノ門、大門へと南下するコースです。すべて駅から徒歩10分以内で、平日の外回りの合間にも組み込めます。金運を強化したい場合は、週末に品川区の蛇窪神社を巳の日にあわせて追加してください。
最後に
東京のおみくじは、古式の配分を守る浅草寺や深大寺、吉凶を記さない明治神宮の大御心、色で選べる田無神社の五龍神みくじ、巳の日限定の蛇窪神社の巳くじと、驚くほど多彩です。同じ「おみくじ」という言葉でも、寺社ごとに形式も意味合いも異なるため、複数を巡ることで東京の寺社文化の厚みが実感できます。次の休日は、観光名所を訪ねるだけでなく、おみくじをテーマにルートを組み立ててみてください。エリアを絞って2、3か所をていねいにまわるだけでも、街の見え方が変わります。
参拝に出かける前に今日の運勢を知っておきたい方には、「御神籤参道」がおすすめです。生年月日と日付から導くあなただけの運勢を、大吉から大凶まで全12段階で毎日無料で引けます。出かける朝に一度引いてから寺社を巡ると、授かったおみくじの言葉がいっそう深く響くはずです。
