権現

信仰・概念

権現ごんげん

仏が神の姿を借りて現れたものという神仏習合の概念。

権現は仏が衆生を救うために仮の姿(神の姿)をとって日本に現れたものという、神仏習合時代の思想から生まれた概念である。「権」は「仮の」を意味し、「権現」は「仮に姿を現したもの」という意味になる。本来の仏(本地仏)が日本の神(垂迹神)として現れるという「本地垂迹説」の中核をなす考え方である。

権現の代表例は「東照大権現」こと徳川家康で、日光東照宮に祀られている。家康は遺言で自らを権現として祀るよう命じたとされ、「神君」として江戸幕府の精神的支柱となった。熊野三山の「熊野権現」、箱根の「箱根権現」など、権現の名を持つ神社は全国に数多い。明治の神仏分離によって「権現」の呼称は公式には廃されたが、民間では今も親しまれている。